より良い明日と美しい音色のために 一日一日を精一杯に INTERVIEW #2 サヌカイト奏者 小松 玲子 | EQUITANCE  

2018.11.21

INTERVIEW

#2

“より良い明日と美しい音色のために
一日一日を精一杯に”

サヌカイト奏者 / 打楽器奏者小松 玲子

香川県だけで産出する天然石を使った楽器・サヌカイト。
その奏者である、小松玲子さんにお話を伺いました。

世界中にたった5台
香川県生まれの天然石が奏でる癒しの音色

―エクイタンスのCMやブランドムービーでも使用させていただきましたが、
サヌカイトという楽器について教えてください。

 私の故郷、香川県に1300万年前からある、「讃岐石(サヌカイト)」というガラス質の石で作られた打楽器です。叩くと「カンカン」と音がすることから「カンカン石」と呼ばれているのですが、約30年前にこの石がたくさんある山を購入された前田仁さんという方が、私財を投入して開発されたんです。非常に貴重なもので、世界にまだ5台しかありません。オルゴールの音をもっと静かにまあるくしたような、とてもやさしい音色がします。

火山の溶岩が固まってできたサヌカイトの原石。

―サヌカイト奏者になられたきっかけを教えてください。

 最初の出会いは高校で打楽器を専攻していた時で、母校の合唱団とサヌカイトの共演をしました。次に出会ったのは東京藝術大学へ入学した時に、「香川県出身の打楽器奏者ならご挨拶に行きなさい」と開発者の前田さんをご紹介いただきました。その時、「サヌカイト専属奏者に」と誘っていただいたのですが、色々な楽器が弾きたい、とお断りしてしまったんです。でも、卒業後に高松市の観光大使になり、「香川県生まれの楽器をアピールしたい」という想いが徐々に芽生えて、開発者の後を継いでサヌカイト作りをしていた方にお会いすることに。そこで、奏者になることを快諾いただき、楽器を譲り受けることになりました。

相手が自然だからこそ
気持ちが宿り心が演奏に直結する瞬間が。

―サヌカイトの魅力とは。

 自然の原石をそのまま楽器に仕立てていることです。石って宝石などもそうですが、魂や念がこもると言われますよね。サヌカイトも演奏することで気持ちがこもり、心がそのまま音楽につながっているような感覚を得られるんです。割れやすいなど、石であることのマイナス面もありますが、その何倍もの魅力を、長年演奏するうちに「石」に教えてもらっています。演奏を聴いてくださっているお客様には、音を浴びているというか、身体の深いところに響いている気がします。そっと涙を流す方がいたり、静かに目を瞑っている方がいたり…。実際にサヌカイトの演奏を聴かれている方の脳波を測る実験に協力したことがあるのですが、ほとんどの方の脳からα波が出て、非常にリラックスされていることが分かりました。

サヌカイトは、2オクターブの音階のある鍵盤と半音の鍵盤、上下2段で構成。 4本のバチで演奏される。

ステージでは自分の全てが伝わってしまう。
だから、毎日を120%の力で。

―楽器を演奏することと、内面の成長は関係があると思われますか。

 もちろんあります。ステージに一歩出た瞬間から、私という人間の全てが出てしまいますから。どんなに取り繕っても、分かる人には本質が伝わってしまいます。だからいつも飾らずありのままの自分で、一日を120%の力で悔いなく生きることを心がけています。もちろんゆっくりリラックスする日もありますが、そう心がけさえしていれば、より良い明日と、より美しい音楽へとつながっていく気がしています。

サヌカイトの音色が聴けるCDも。

―最後に、今後の演奏活動や目標についてお教えください。

 まずは演奏活動を通じてサヌカイト音色を知っていただくこと、そして、教会やお寺でのチャリティーコンサートなどにも積極的に参加し、この音を必要としてくださる方達がサヌカイトを通してリラックスしていただけるとうれしいです。コンサートやオーケストラの一員として全国ツアーなどもしていますので、ぜひみなさまにお越しいただき、サヌカイトの音色を身体で感じていただければと思います。
Profile
小松 玲子Reiko Komatsu
香川県高松市出身、東京藝術大学を卒業。東京藝術大学管弦楽研究部の非常勤講師を経て、東邦音楽大学附属第二高等学校講師を務める。平成28年度よんでん芸術文化奨励賞、東久邇宮国際文化褒賞受賞。ボルドー音楽祭、日仏観光交流会、ユネスコ国際会議、G7情報通信大臣会議など国内外の様々な舞台で、サヌカイトや打楽器の演奏を行っている。高松市観光大使。
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