写真家 中川正子さん インタビュー

エクイタンスが、ブランドムービーに起用したのは写真家の中川正子さん。
写真家としての仕事に軸足をおきながらも、執筆活動や写真以外の作品制作など、
活動の幅を次々と広げ、肩書きに縛られない自由な発想で常に前進していらっしゃいます。
変化を楽しみながらポジティブに挑戦を続ける中川さんに、考え方や生き方についてお聞きしました。

さまざまな変化に出会った時、大切なのはじっくり自分に向き合うこと。

“変化”することについてどう思われますか?

私、変化は悪いことどころか、いいことだと思っているんです。これまでも何か変化があるたび、「最初はジタバタするかもしれないけれど、新しい何かが始まるんだ。」って思って生きてきました。

戸惑ったり悩んだりした時、どうしていますか?

“その要因を徹底的に全部味わう”ということでしょうか。沸き起こるネガティブな感情は全部“サイン”だと思っています。何が不安なのか、どうしてあんな風に心が動いてしまったのか、思い返すと、自分の中に焦りがあったり他者を変えようとする気持ちがあったり。そう言ったことを気づかせてくれる“サイン” 。ネガティブな感情を先送りしないで、自分に向き合うことって大切だと感じています。

新しい出会いの中で、築き上げることの大切さに気づかされました。

今までにどんな変化がありましたか?

毎日小さな変化はたくさんありますが、大きな出来事としては、出産、震災、岡山への引っ越しですね。 2010年〜2011年にかけて大きな決断がたくさん重なりました。 当時、東京で暮らしていたのですが、4月から夫が岡山に拠点を移し、東京と行き来しながら仕事をすることになっていました。その直前で東日本大震災が起こったんです。まだ幼い子どもがおり、先行きが見えず不安もありましたので、私たちもひとまず一緒に岡山へ行くことにしました。まだ当時は一時的な滞在のつもりでしたが。今では、たくさんの新しい出会いや発見にすっかり心を動かされ、岡山での暮らしを楽しんでいます。

拠点を移したからこその、“気づき”みなたいなものはありましたか?

今ではそんなに都会と地方の差は感じなくなりましたが、当初は一から築き上げていかなければならないことが多く、いろいろチャレンジしている人たちを見てとても衝撃を受けました。例えば、ある人は、東京や大阪のような巨大都市ではない岡山に、海外のアーティストを呼ぶにはどうしたらいいか、なんていうことを何もない状態からやっていたんです。

つくり上げるという点では、私も今までにビルの看板や雑誌の表紙、広告のビジュアルなど色々なことをやらせていただいてきました。でもそれって、制作チームの方々が企画や進行など地盤を整えてくださったからできていたことだったんですよね。世の中には、私の写真がバーンと出るから何か大きなことを成し遂げた気になっていたんですが。一から勇敢に築き上げていくかっこいい岡山の人たちを見て、私はこういうことをしたことがないって気づかされました。

本当に大切なものはそんなに多くないと感じています。

コロナ禍で、何か感じたことはありますか?

ありましたね。個人的には、東日本大震災の次に来た大きな波でした。コロナ禍に入ったばかりの頃は、ネガティブな情報が自分の中を占めていって、腕に湿疹ができたりしたこともあったんですね。気づかないうちに心に負担をかけていたみたいで・・・。でも、時間が経つにつれこんな状況だからこそできることがあるんじゃないかと考えられるようになったんです。

例えば、仕事のオファーも、SNSなどを通して日本だけでなく海外からもいただけるようになりました。世界的に自粛ムードの中、オンラインでのやり取りが活発化したからこその流れだと思うんです。個人的に発信することで、支持してくださる方々と直接交流し作品を手にしていただく機会も増え、人と繋がるスピードが高まっている気がしています。私にとっては、また一つ新しいドアが開いたのかもしれません。

今と昔で、“大切なもの”に対する意識が変わったりしていますか?

歳を重ねていく中で、手放すのが上手になってきたように思います。以前は、モノでも、人間関係でも多くを欲していた記憶があります。でも、本当に大切なものってそう多くないなと。世の中も、環境も、めまぐるしく変化していく中、どう楽しむか、新しい自分をどうやって見つけるか、っていうことにシフトしていけたらいいと感じています。

これからも、自分に正直に私らしく前進していけたらいいなと思っています。

中川さんにとっての“私らしく“とは?

正直であること、かな。親も喜んでいると思います。正子っていう名前の通り育って(笑)
例えば、何かを決める時は自然な流れや気づきを大切にしています。私の作品も惹かれる瞬間や感情を心のままに表現しているんですが、それに共感してくださる方と繋がっていくこの感覚がとても好きです。それは、写真に限らず文章でもいいし、モノづくりでもいいし。人間の生の声とか、手触りとか、そういったものを大切にしながら私らしくまっすぐに前進していけたらいいなと思っています。

写真家 中川正子さん

横浜生まれ。津田塾大学在学中、カリフォルニアに留学。写真と出合う。自然な表情をとらえたポートレートや、日常の光、美しい風景写真などを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中。近年はさらに活動の場を広げ、エッセイなどの執筆も。

横浜生まれ。津田塾大学在学中、カリフォルニアに留学。写真と出合う。自然な表情をとらえたポートレートや、日常の光、美しい風景写真などを得意とする。写真展を定期的に行い、雑誌、広告 、アーティスト写真、書籍など多ジャンルで活動中。近年はさらに活動の場を広げ、エッセイなどの執筆も。